欧州特許はどのような内容か

コラーゲンによるアテローム性粥状(じゅくじょう)動脈硬化症の減少及び予防

動脈硬化にはアテローム性粥状動脈硬化 細動脈硬化 中膜硬化の3種類があります。一般的に動脈硬化というとアテローム性粥状動脈硬化を指します。

このたびコラーゲンによるアテローム性粥状動脈硬化症の減少及び予防として、2011年11月2日、欧州特許を取得しました。また血管老化防止薬およびアンチエイジング製剤として2011年7月29日にシンガポール特許、2011年11月8日に香港特許を取得しました。

コラーゲンがなぜアテローム性粥状動脈硬化症の減少および予防に有効なのかについて説明しましょう。
アテロームとは別名プラークともいいます。プラークは歯垢も指しますね。血管内に溜まる垢みたいなのでプラークとも呼ぶのです。実際は垢ではなく、血小板とコレステロールのかたまりです。これからは分かりやすくするためプラークということにします。

その前になぜアテローム性粥状動脈硬化症が問題なのか?
血管内のプラークは剥がれること(不安定プラーク)があります。
頚動脈のプラークが剥がれると脳に到達して脳梗塞となります。冠動脈のプラークが剥がれると心筋梗塞になります。だからプラークの有無が臨床的に問題なのです。
現在アテローム性粥状動脈硬化症減少の適応がある医薬品は世界のどこにもありません。では現在どのような治療がおこなわれているかといいますと、狭窄した部位にステントを挿入して強制的に広げる方法とドリルでプラークを削る方法があります。いずれも入院が必要です。ステントを挿入すると一生抗凝固剤を内服しなければならず、しかも怪我すると出血が止まらなくなるリスクがあります。ドリリングは未熟な医師がおこなうと血管を破ってしまうハイリスクな手技です。

欧州特許を分かりやすく説明するために血管の構造を図解でお示しします。
血管は外膜、中膜、内膜の三層構造になっています。内膜は血管の内部で血液に接する部位です。大血管はコラーゲンとエラスチンでできています。コラーゲンは主に中膜に存在します。
図にすると以下のようになります。

プラークはどうしてできるか?
血液中の過剰なコレステロールが原因等の学説が一般的ですが、これから紹介するのは老化コラーゲン学説です。加齢によりコラーゲン合成が低下すると、ターンオーバー(新陳代謝)が遅れるため新鮮なコラーゲンが供給されず血管内のコラーゲンは老化します。これを老化コラーゲンと呼びます。老化コラーゲンは脆弱なコラーゲンとなるため、架橋形成しますがそのためひげ状の繊維ができます。それが喰細胞によって傷ついた内膜から血管内に顔を出します。
それがちょうどアイスクリームの芯棒のようになり、血液中の血小板やコレステロールがまとわりついてプラークが形成されるのです。分かりやすく図解すると以下のようになります。

<プラークの出来る過程>

①血管内(内膜)に傷が出来る → ②老化コラーゲンがひげ状になって血管内に顔を出す → ③血管内の血小板やコレステロールがまとわりついてプラークに → ④成長したプラークは、血管の内空を狭めたり、また剥がれおちることがある。

どうしてコラーゲンがプラークを減少させるのか?
新鮮なコラーゲンが血管に供給されると、老化コラーゲンが退場してひげ状の変化も徐々に減少してプラークは徐々に溶けて減少するのです。

<プラークの減少していく過程>

①大きくなったプラーク → ②新鮮なコラーゲンが血管内に供給されることにより 
→ ③ → ④のように、徐々に血管内へとプラークが溶けだして、正常の血管の状態に。

欧州特許は十数名の患者の頚動脈エコーで、コラーゲン投与前後の比較でプラークが減少することが評価されて取得しました。欧州特許は一番厳しい海外特許といわれ、今回白身魚の魚皮から抽出して低分子化(平均分子量3000)された高品質コラーゲンを用いたことが評価されました。他の原料(うろこや豚の皮)では吸収率や生理活性が魚皮と比較にならず、私はあえて研究対象としませんでした。

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